ACLSといえば2日間かけて講習を行うイメージを持たれている方も多いかと思います。
しかし、最近は教室での講習を1日で修了するコースを行う団体が徐々に増えてきました。1日コースと2日コースの違いについて疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思いますので、1日コースの注意点も含めたそれぞれの違いをまとめておきます。
1日コースはAHA公式のコースです。得ることができる資格は2日コースと同じです。
1日コースの概要
G2020より、ACLSコース(1日コース)とACLSトラディショナルコース(2日コース)に開催方法が区分され、インストラクターはそのどちらかを選び、開催するようになりました。
時折「1日コースは正規のものではない」という勘違いを耳にすることがありますが、通称1日コースはAHA-ACLSの正規コースとなります。
これらのコースの学習内容に違いはありません。1日コースに関しては、一部を動画教材+テストで事前に学習してもらうこと、受講者あたりのマネキン数を多くすることで、当日の講習を1日で完結させています。
具体的には、2日コースでは蘇生科学やアルゴリズム、脳卒中、急性冠症候群など全ての動画を教室内で視聴するのに対し、1日コースで教室内の視聴を義務付けられているものは「高い能力を持つチーム(チームダイナミクス)」のみです。それ以外の動画はご自宅などで事前に試聴していただくこととなります。ただし、団体によってはそれ以外の動画を一部抜粋して視聴することもあります。イーエヌアシストも受講者の状況に合わせて、動画を視聴し復習+補足説明をすることがあります。
1日コースでは事前試聴した動画内容は理解できていることが前提とはなっていますが、受講される方の理解度に合わせて、適宜復習と補足説明を挟みながら進行しますのでご安心ください。
1日コースで注意が必要なポイント
1日コースでは先に述べたように、受講前作業(動画教材試聴)行い、ある程度理解していることが前提となるため、各セクションの説明は2日コースよりは少ない状態でシュミレーションを行うことがあります。また、1日という時間的制約があるため、細かな説明がしづらい場合もあります。そのため、ゆっくりと学びたい方にとっては、ペースが早く感じてしまう可能性があり、旧来の2日コースが適しています。2日コースでは各動画ごとにディスカッションをするため、理解の手助けになるというメリットがあります。また、2日コースは1日コースのようなタイトなスケジュールではないため、体力的も楽に感じる方も多いかもしれません。
もちろん、1日コースにご参加された方に対しては、そのような状況も加味した上で、可能な限りの進行状況の調整をいたしております。また、イーエヌアシストでは、インストラクターが一人の場合は、受講者を4名程度とすることで、より密度の高い講習となるよう努めております。
より解像度の高い講習にするために
イーエヌアシストではACLSを受講される方に向けて、急変対応.net企画で弊団体も執筆協力させていただいている、無料の補足教材をプレゼントしています。受講の前後でお使いいただくことで、コースで得た知識・体験を臨床に還元しやすくなります。特に、同教材で解説してる【蘇生科学】の領域は、二次救命処置の基盤となる知識であり、事前にある程度理解しておくことが必要となります。
配属や救急経験に関係なく、効果的な講習となるよう最大限サポートさせていただきます!