CPRにおける人工呼吸を人工呼吸器で代替できるか

気管挿管をされている患者に対するCPRは6秒に1回の換気と、完全に一定の間隔で換気をすることになります(30:2では胸骨圧迫にリズムによってわずかに換気間隔に差が出る)そのため、「人工呼吸器を6秒に1回換気をする設定にすればいいのでは?」という考えもでてきます。これが実際に可能なのか、考えてみましょう。

結論

可能だが、人工呼吸器がCPRに対応している場合に限る

CPR中に換気を人工呼吸器に任せることができれば、その分の人手を他に回すことができます。限られたマンパワーで効率よくチームダイナミクスを働かせることが可能となります。

ただし、その際には人工呼吸器に”CPR専用のモード”があるかを確認してください。CPRモードのない人工呼吸器では、A/Cで呼吸回数 10回/分(6秒に1回)にしたとしても、胸骨圧迫による気道内圧の変動を自発呼吸と感知して余計な換気が加わったり、圧迫時の瞬間的な気道内圧急上昇で換気に制御がかかってしまったりと、効果的な換気ができなくなります。

CPRモードのある人工呼吸器であれば、瞬間的な気道内圧上昇を許容したりと、胸骨圧迫によって気道内圧の変動があったとしても、CPRに最適化した換気が可能となります。

例として、IMI社のMONNAL T60はCPRモードがある人工呼吸器です。

自身の施設の人工呼吸器を確認してみましょう。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次